NHK WORLD-JAPANのTrails to Oishii Tokyo(おいしい東京)で「塩」の回をたまたま見てからずっと行きたいと思っていた能登半島!この番組でも紹介されていた宿の予約が取れたこともあって行ってみました。
東京方面から能登半島へは飛行機&レンタカー!
奥能登と呼ばれる能登半島の輪島市、珠洲市、能登町はなんだかんだと金沢から遠い。電車はJRとのと鉄道を乗り継いでも穴水まで。金沢から出る特急バスもあるようだけど時間がかかるのと、塩田のある方面には行かず。東京などからで、金沢方面に行かないなら、のと里山空港から直接行った方が速いし便利。ただ空港からはリムジン的なバスはなし。予約制の乗り合いバスもピンポイントしか行かないし、観光タクシーもコースが固定しているようで、宿のほかにもいくつかの塩田、道の駅、芸術祭のサイトも周りたかったため、結局レンタカーで回ることにしました。結果としてはレンタカーは大正解でした。能登半島の道、道が整っているのに信号も車も少なくて走りやすい。停まるのは工事で通行止めになっているところくらい。2日間227km乗って、最後に入れたガソリンは2000円いかなかったよ、、ホンダのフィットだったけど、今のオートマ車って燃費よいのねー
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能登農業遺産のシンボル!白米千枚田
空港からは直接塩田に向かうか迷ったものの、天気が良かったので行ってみました。白米千枚田(しろよねせんまいだ)。白米は輪島市の町の名前。日本海に面した棚田で、農林水産省が選定した棚田の百選のひとつ。今も100以上の棚田が残されていることに逆に驚き。青い海と緑の棚田のコントラストがきれい。田植えの季節はもっと美しいはず。道の駅にも隣接して、ツアーバスも来てて、平日なのに賑わっていました。夜はライトアップをするらしい。
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道の駅ではおにぎりがおいしそうだった!お腹空いてなくて食べなかったけど。買っとけば良かった。あと向かいに良さげなカフェもあったので入ろうとしたらたまたま定休日で残念。
いざソルトロードへ!まずは輪島塩から
そこから249号線を東へ、珠洲市方面に向かって最初に出会う塩田が輪島塩。すっきりとしたデザインの店舗内に塩だけでなく海産物などの商品が並び、窓からは日本海がどどーんと見えます。天気が良ければ7つの島が見えるとか。塩田での作業は10月までで、職人さんの空いている時間とタイミングが合えばお話しも聞けるとのこと。運良くお話しを聞かせていただきました。
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揚げ浜式製塩とは、500年前から奥能登に伝わる塩作りの方法。春から夏、早朝から海水を汲んで砂地の塩田に散布。太陽で乾いた砂を集め、これを海水で洗い濾してできる濃い塩水の「カンスイ」を大釜を炊いて作るのが揚げ浜の塩。自然の恵みと人力と。とんでもない手間がかかっています。詳しい作り方はこちら。 伝統的なものとはいえ、国の政策で塩田での塩製造を止めていた時期があった。干満の差のある瀬戸内海は入浜式で、人が運ぶ必要はない。また能登地域で塩を作ったのは、稲作ができる地域でなかったために加賀の藩主が塩作りを奨励し、米と交換したため。作り方だけでなくそんな話もしてくださりました。
テレビでもおなじみのすず塩田村
珠洲市に入ると「能登の揚浜式製塩の技術」のでかい文字が。何でもここはNHKの連続テレビ小説『まれ』のロケ地になったところだとか。田中泯が塩職人役で出ていたらしい。
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「砂取節」はこちらに映像がありました。ところがこの「砂取節」伝えるお祭り、2023年で終わったそうで。後継者不足で。そんなんあり!?残しましょうよ!!!
そして隣にあるのが道の駅でもあるすず塩田村。地図でもひときわ大きく書かれているので、どのか塩田をひとつだけいくならここという感じなのでしょう。お土産物も多彩にあり、施設内には塩についての博物館的な施設もありました。ブラタモリ、旅サラダ、そして私がみたNHK WORLD-JAPANもここで撮影したようです。
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博物館コーナーでは古い映像から、製法、歴史まで資料が並びます。明治時代には半島の沿岸地域にあった製塩地が昭和33年には日本海側だけに減少していきました。
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米が作れないため、加賀のお殿様が作れといって始めた塩作り、それを国策で生産性の高くない製塩はやめろと言ってきた。
そもそも塩は1905年に塩専売制度がスタート、1997年に廃止されるまで国の管理下。段階的に塩業整備を実施するなか、1971年の第4次塩業整備で採かん(水分を飛ばして濃い塩水を作る)工程をすべて「イオン膜方式」に転換。ここからミネラルを除いた塩化ナトリウムだけとなった精製塩を製造・販売していたわけで(博物館ではそこまでは書かれていなかったけど)。能登に限らず、瀬戸内などの歴史ある塩田が国策により消えていったのでした。
北前船もここから出た!珠洲製塩
さらにいくつかの塩田&製塩所もあったものの、シーズンオフの平日なのでやってないところも。そんななかで営業していたのが、珠洲製塩。たまたま職人の方が説明してくださいました。ここの塩は愛知や三重の食品メーカーに使われているそうです。コスト的に高くなるはずの塩をあえて使う会社、見直した!さらにここのニガリは京都の豆腐店が使っているそうです。
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流水式というのは沖縄など暖かい地方で行われている作り方。海水をポンプで汲み上げ、竹で作られた枝条架に散布し、天日や風で水分を蒸発させるというもの。
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流水式で作った塩と揚浜式の塩、テイスティングができるのですが、全然違う!揚浜式の方がまろやか。好みや料理で使い分けるのがよさそう。お土産は2種類の塩、豆腐用に濃いめのニガリを購入。
珠洲市のそのほかの道の駅
珠洲市中心部にある道の駅すずなりにも行きました。ここが奥能登国際芸術祭のバスツアーの出発地点になっていて、平日でも結構な賑わいでした。地元の味噌をお土産に買いました。
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到着日に時間が押してしまって、行き損なった道の駅狼煙にも行きました。案内板にも狼煙って出てくるんだけど、「のろし」ってぱっと読めないよ、、ここに、固定種の大豆を使った豆腐があるというので食べたいと思っていたのでした。さいはてという割には立派な建物で、在来種の丹生そばというのをいただきました。少し温度が下がってたので暖かいそばと豆腐のセットを頼み、そばも豆腐もめちゃくちゃうまい。大浜大豆という固定種の大豆、豆自体は売っておらず、豆乳、きなこをゲット。珠洲製塩のニガリで豆腐を作るぞー
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角花家が守った塩作りがテーマの作品
実は11月12日まで奥能登国際芸術祭が開催されていました。作品を巡るバスツアーに乗ることも考えたものの、時間が合わず。行きたいスポットだけ行くこともできるとのことで、会場のひとつ、旧清水保育所へ。見たかったのは塩田千春《時を運ぶ船》。「しおだ」という名前から「えんでん」との縁を感じて、揚浜式製塩を守り続けた船と人と地域、そして時間を結びつけた作品。戦時中、塩作りの伝授を命令された角花菊太郎氏は戦友たちの戦死をきっかけに、どんなに苦しくても塩作りを守ることをライフワークとし、それが珠洲での塩作りの継承につながったという。戦後、工業化が進むなか、大変だったでしょうに、、
旧保育所では地元老人会のボランティアの方がていねいに説明してくれたのもありがたかったです。レンタカーの返却時間も迫り、急いでいたのですが、心底行ってよかったです。
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保育所までの登り坂、小雨降る中、誘導の人もいてくれて助かりました。
予約の取れない宿”発酵食の宿ふらっと”
そして今回の目的でもあった能登イタリアンと発酵食の宿ふらっとさん。能登出身の女将さんとシドニー出身の旦那さんが営む1日4組限定の宿。能登伝統の発酵食品を使ったイタリアンとサーブの仕方からワインのセレクション、露天風呂、能登らしさ満点の和朝食、全てが良かったです。行きたい月がいっぱいでなんとか11月に行けたのはとてもラッキーでした。
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日本三大民宿のひとつだったさんなみを受け継いだオーベルジュ。能登の食材を最大限に生かした旦那さまの料理の腕と。能登ならではの魚醤である自家製いしりを使い、もちろんお塩は能登の塩!ああおいしかった。
NHKの美の壺ダイジェスト「塩 『太陽と大地の恵みをいただく』」(4分43秒)
日本の塩の専売制度押し付けされるなか、昔ながらの発酵食や塩などの伝統を守ってきてくれた能登の人には感謝しかないです。
今回行ったソルトロード(現地では塩街道と書かれたいたような。運転していて写真が撮れず)とふらっとさんは能登半島でもちょっと場所が離れています。塩田が並ぶのは日本海側、ふらっとさんは能登町で富山湾側。30km以上、車で40分は離れていて、それらを結ぶ直接の交通機関はありません。レンタカーで行ったのは正解でした。
あと、のと里山空港の観光案内所がとても親切で、ここでいただいた地図やガイド本がとても役立ちました。「ぶらり能登」GUIDE BOOKはガイド本としてよくできていて、助かりました。こんなのあったら市販のガイドブックいらないよねっていう出来。ダウンロードできたんですね(知らんかった)。
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能登のソルトロードで天塩にかけた塩をいただきました