ここ数年、味噌づくり教室に参加して手作り味噌を作ってました。といってもたいてい茹でた大豆が用意されていて、つぶして塩と麹と混ぜるといった簡単なもの。今年は思い切って、茹で大豆から家で作ってみました。普通は半年くらい寝かせて発酵させますが、1日でできる作り方も発見したのでやってみました。
1日でできる味噌
ほとんどの味噌は、寒い季節に仕込んで(寒仕込み)、春から夏にかけてゆっくり発酵・熟成して秋頃から食べごろに、というのが一般的。夏に仕込んで短時間で発酵させることもできるようですが(温醸みそ)、いずれにしても3〜10ヶ月は発酵させる時間が必要(詳しくはマルカワ味噌のページで)。ところが何と1日でできる味噌レシピ「一日で完成するカビの心配不要 手作り味噌の作り方」を発見。ちょうど味噌がなくなってきたので、作ってみました。

水煮大豆150g、米麹150g、塩20g、湯冷まし大さじ2
- 米麹を細かくつぶしておく。ミキサーを使わない場合は袋に入れてたたく
- 大豆の水煮を袋のままクリーム状になるまでつぶす
- ボールに麹と塩を入れて混ぜ(塩切麹)、揉みながら馴染ませる
- 3につぶした大豆を入れて混ぜ合わせ、パサパサしていたら湯冷し大さじ2を加える
- ひとまとめにしてジップロックに入れる
- 60度のお湯を入れた炊飯器に5を入れ、蓋は開けたまま保温モードで8時間入れておく
- 途中ジップロックを2、3回揉む
- 8時間たったらできあがり








このレシピでは、乾燥大豆ではなく水煮の大豆と麹が同じ分量のため、通常の味噌より麹の割合が多く、かなり甘めの仕上がりとなりました。京風白味噌といった感じ。もう少し大豆と塩を多めでもいいかも。あるいは炊飯器での発酵タイムは様子を見ながら8時間以上でもいいと思いました。
なお、水煮大豆は、余計なものを入れていないマルサンなどの国産水煮大豆がおすすめ。塩やデキストリンが入っている水煮大豆もあるので。
普通に作る味噌づくり
そして!味噌づくり教室に参加した経験を活かし、初めて自分で大豆を茹でるところからやってみました。麹と乾燥大豆の割合は、基本1:1、塩は40%ですが、地方や家庭ごとの好みで調整すればよいかと思います。マルカワみその原料計算ツール(麹・大豆・塩)が参考になります。

乾燥大豆1kg、米麹1kg、塩400g、白梅酢
- 容器の内側をアルコールで拭いておく
- 良く洗った大豆とたっぷりの水と梅酢大1を合わせて、10時間以上(一晩)漬ける
- 2を強火にかけ、沸騰したら弱火にして豆が手で軽く潰せるくらい柔らかくなるまで煮る(約2時間)。灰汁は取る。水がなくなりそうなら水を足す
- 大豆と茹で汁に分ける
- 丈夫なビニール袋に茹でた大豆を入れてつぶす。フードプロセッサーを使ってもOK。人肌に冷ます
- 麴と塩320gを混ぜ合わせる(塩切り)
- 大豆を加え手で良く混ぜ、団子状に丸める。茹で汁を入れて硬さを調整する
- 容器に空気が入らない様に詰めていき、最後は表面を平らにして、アルコールを吹き付け残りの塩 80gを上に敷く(塩蓋)。空気が触れないようラップをして、蓋をする
- 風通しの良い涼暗所で保存。6月に天地返しをして、10月まで発酵させる。
完成するまでは時々カビが出ていないか確認しましょう。カビが出らその部分を取り除き、ラップを替えます。












容器に大豆を詰めた最後ですが、アルコールを吹き付けない教室もあったのでマストではありません。アルコールは発酵を抑えるので、様子を見ながら判断のほど。
大豆の茹で汁はめちゃくちゃ甘いです。スープにしたり、味噌汁に使いましょう。
今は、大豆、麹、塩がセットになった味噌作りセットも売られているので、それを買うのがお得かなと思いました。こだわり出すとキリがなく、それぞれバラで買うと結構コストもかかるので。
自家製味噌が切れたときのおすすめ味噌
今一般的に市販されている味噌は、工場のタンクで熟成されています。さらにものによっては、容器が膨張するのを防ぐために酒精(しゅせい)やアルコールを入れて発酵を止めているものも(発酵が進むものはガス抜きのための弁が付いている)。だしなど調味料が入ってるものまである。昔ながらの天然醸造・木桶発酵の味噌を使いたいのですが、国産原料使用!無添加!のワードだけではなかなか木桶発酵なのかはわからない。お味噌づくり教室の先生によると、地方に行くと意外とあるよ、とのことで旅先の道の駅などで手作り味噌をよく買うようにしています。
たまたま「発酵男子」というテレビ番組を見ていたとき、紹介されていた秋田県の石孫本店。明治・大正期に建造された蔵!これぞ私が求める味噌!ということで、ときどきここから買うようになりました。今、amazonや楽天でも買えるのね、、
そして、まるみ麹本店の「奇跡の味噌」。あの「奇跡のりんご」の木村さん監修、岡山県の自然栽培米「朝日」で作った自然みそ。吉野杉木桶仕込み。麹の米も、大豆も自然栽培。塩も天然塩。おいしくないわけない。麹に使っている米は、朝日米という貴重な固定種。しかし、今みたら値段がめちゃ上がっておる、、、
九州は大分県、麻生醤油醸造場の「家族のみそ」も結構好き。九州産の材料を使用した生味噌。大麦がアクセントになっていて、コクというか風味が増しておいしいです。麦もそれほど主張せず、関東の人も全く問題なし。
私が知らないだけで、各地にはいろいろな本物の味噌があるのだと思います。
なぜ天然醸造の生味噌がよいのか?
お味噌には、糀菌の働きにより酵素が入っています。この酵素が消化・吸収を助けているのです。
天然醸造のお味噌と、発酵が止められたお味噌をご飯に混ぜた実験動画を見ると、ご飯=たんぱく質が味噌の酵素でドロドロになって分解されているのがよくわかります。発酵が止められたお味噌は、混ぜたときのままで変化なし。つまり、お味噌の味がするだけで、本来の役割は果たしていない。ご飯が消化されない、というのは自前の酵素(ペプシンとかアミラーゼとか)を使って消化しなければいけないので、体への負担がアップする。一生のうちに体内で作られる酵素の量は決まっているそうで。
似たような実験はいくつかアップされていますが、こういう動画を見ると酵素の大切さがわかります。

味噌づくり&本物の味噌探しはまだまだ続く。