ゆっくり巡ろう伊勢神宮。縁起石からせんぐう館と下宮だけでも見所多し

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前回行ったときあまりに弾丸だったので、次に行ったらゆっくり回りたいと思って行ったお礼参りの伊勢神宮。急かされずにじっくり見たことでいろいろな気付きや発見がありました。

下宮で見たい縁起石

伊勢神宮の公式サイトに下宮、内宮ともにモデルコースが示されています。下宮の場合は30分コースと60分コースがあるので、30分コースをベースにマイペースで周ればよいと思います。

別宮多賀宮のところで、OBらしき方が説明してくださり、ただ見ていただけでは知らない、発見がいろいろありました。それがいくつかの石です。なお、古殿地の南側にある三ッ石は祭典に用いる場所で結界が張られ、パワースポットではありません。

多賀宮前にはお地蔵さんのような寝地蔵石が。絶対踏まないように!
亀石に向かう途中、風宮の石垣にあるハート型の石
風宮の石垣
亀石はこの角度で見ないと見逃してしまいます

多賀宮前にある寝地蔵石。ちょっとわかりにくいのですが、手すりの下にあって、角度によって、お地蔵さんに見えます。そして、ハート型の石。亀石に向かう途中、風宮の石垣にあります。

式年遷宮以外にも125社あるどこかで建て替えが

伊勢神宮が20年に一度お宮を建て替えることは知られていますが、御神体を新宮に移す式年遷宮だけでなく、125社ある全てのお社が毎年どこか建て替えられているそうです。つまり、それに関わる職人の方々は、ずっと技術の継承に勤しんでいるわけです。

OBの方のお導きで、四至神と神楽殿の間にあたりから北御門鳥居、さらに御厩(みうまや)の先の脇道へ。ずーっと進んだ先に度会国御神社と大津神社があります。そこには立て替えたばかりの大津神社が。まだ檜の香りがしていました。貴重な空間に居合わせることができ、教えてくださったOBの方には本当に感謝です。

立て替えたばかりの大津神社
すぐ近くの度会国御神社

伊勢神宮では、忌火屋殿(いみびやでん)で用意された御飯、御水、御塩を奉納する日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)が毎日朝と夕にあって、朝8時(冬は9時)、夕方16時(冬は15時)の時間に合えば神職の方が運ぶ姿が見れるとのこと。これを約1500年間ずっと毎日続けているって、本当にすごいことです。国の安泰が毎日祈られているのですね、、

個人的なお願いをしていいのは多賀宮と荒祭宮?

外宮の第一の別宮である、多賀宮(たかのみや)には鳥居がありません。豊受大御神の荒御魂を祀りますが、地元の風習では、個人的なお願いをしていいのはこの多賀宮なのだそうです。内宮では鳥居がないのは荒祭宮(あらまつりのみや)。なので、個人的なお願いは荒祭宮で、といわれます。ただし、これは地元の風習とされ、公式サイトでは、以下のようになっています。

どの宮社でもまず感謝をし、次にお願いごとをすれば良いかと思われます。きちんとお願いごとをしたい場合は、神楽殿でご祈祷をあげると良いでしょう。

神宮公式サイト 伊勢神宮の「ギモン」と「ふしぎ」より
下宮の多賀宮
内宮の荒祭宮

なお、下宮と内宮では、全てのお社において、鰹木の本数、千木の角度も違うのでした。いろいろ奥深い!

1300年続く文化継承が見られるせんぐう館は絶対行くべし

前回たまたま休みで入れなかった式年遷宮記念せんぐう館。20年に一度の遷宮に、神宮の内宮・外宮などの社や神宝、装束を全て新しく作り直す式年遷宮について、詳しい展示があります。

神宮式年遷宮とは、20年に一度、隣接する御敷地に交互に社殿を新しく建て、神様にお遷りいただくわが国最大のお祭りのことです。第41代持統天皇の4年(690)に始められてから1300年以上にわたって続けられており、平成25年には第62回式年遷宮が行われました。式年遷宮では、社殿とともに殿内の装飾品と御祭神の御用に供する品々である御装束神宝も一新して、天照大神の限りない御神徳を称え平和と繁栄を祈ります。

式年遷宮記念せんぐう館 公式サイトより

せんぐう館では、神宝、装束も現代の名工、名匠たちが伝統を受け継ぎ、日本の美術工芸の粋を尽くしている映像や展示が示され、神に捧げるという覚悟を持って作られた品々、いやはやすごいです。

圧巻は、下宮正殿原寸大模型。実物の東側4分の1ほどだそうですが、本物と同じ材料、技法、建てた人は同じだそうです。木曽と伊勢の檜で作られた神殿、細工された金物、5つの玉。日本の技術が詰まっています。ほかにも遷御の様子を再現したジオラマも見応えあり。

式年遷宮記念せんぐう館 · 〒516-0042 三重県伊勢市豊川町前野126−1 外宮域内
★★★★☆ · 博物館

サステナブルな日本文化の象徴的存在

これを20年ごとに造り替えているのは驚くべきことで、遷宮には1万本以上の檜が使用されているそうですが、単なる若返りではなく、日本の精神文化や技術を後世へと残す役割があるそうです。さらに、正殿の屋根を20年間支えてきた棟持柱(むなもちばしら)は宇治橋の大鳥居となり、さらに20年後にはこの鳥居が、亀山市の東の追分と桑名市の七里の渡し場跡にそれぞれ、再び鳥居として20年間再利用されるのだそうです。

内宮、宇治橋の外側の鳥居は外宮の正殿の棟持柱を再利用
下宮の古殿地。前回の遷宮まで御殿が立っていた場所、次の遷宮ではここに御殿が建つ

古材や御装束神宝も各地の神社に撤下されるそうで、徹底的に使い尽くすのは、本当にサステナブルです。と同時に、檜はじめ、使われる数々の材料を守っていかないといけないのかと思います。

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日本人の総氏神というだけでなく、究極の日本文化が集まった特別な場所。奥が深い。

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