10月から始まるインボイス制度。取引先から「登録しますか〜いつですか〜」という連絡が去年末あたりから来ていて、「検討中」と答え続けてついに10月が迫り来た。来る設問にだんだん「検討中」の選択肢がなくなってきたので、明確に答えるためにも、税務署の「インボイス制度説明会」「登録要否相談会」に行ってきました。トップ画像は国税庁のサイトからの引用。
「インボイス制度説明会」「登録要否説明会」に参加
インボイスで検索すると、政府のサイト、クラウド会計ソフト、フリーランス向けサイトとかで、どういう準備をしましょうと推進側の情報が上に出てくる。一方、全国商工団体連合会のようなサイトでは、「あわてて登録する必要はない、「登録は検討中」と伝えよう」と書いてあり、「検討中」にしておりました。10月がろ迫り、あらためて制度を知るために、さおだけ屋の本で有名になった会計士山田真哉氏のYouTubeを拝見。ここで国税局が「登録要否説明会」をやっているというので、近くの税務署に行ってみました(要予約)。
「インボイス制度説明会」は国税庁動画チャンネルにある動画とほぼ同じ。今回聞いたのは【導入編】消費税の基本的な仕組みから知りたい方へ、でしたが、【基礎編】「インボイス制度の概要」の動画もあります。
行く価値があるのは「登録要否相談会」。むしろ「インボイス制度説明会」は同日やっていたのでついでに参加。国税局のインボイス制度の説明会のページから、地方ごとに異なる開催局のリンクを開き、説明会や相談会のところに都道府県別に開催する日時や場所、予約の連絡先などが書かれた大きなエクセル表から適したところを探します。この表がまた見づらい、、
私がいった税務署では制度 説明会1時間のあと、そのまま登録要否相談会が始まり、予約した順番に職員が2人で順番に10組くらいの相談に乗る感じでした(会場ごとにやり方が異なるかもしれません)。時間は人によって10〜15分くらいでした。
インボイス制度の登録は「任意」、取引先によっては必要なし
「インボイス制度説明会」であらためて確認できたのは、インボイス制度の登録は「任意」ってこと。それと、消費税の基本的な仕組み。簡単にいうと、消費税という名前ですが消費するときにかかるというより、BtoBであっても全ての取引に課税される取引税、という考え方です。
消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税で、消費者が負担し事業者が納付します。
国税庁 消費税のしくみ
製造、卸、小売り、それぞれの取引で、事業者が納付する消費税の合計=消費者が負担する消費税額ということだそう。
インボイス制度とまとめると、今まで消費税分が免税されていた年間売上1000万円以下の小規模事業主も消費税を払えるように仕組み化したよ、義務でなく任意ね。でも登録しないと、売上先も控除がだんだん受けられなくなって、6年たったらゼロになるから負担になるよ?それでも「免税」でいる?登録するとこんなお得な「2割特例」で簡単に計算できるよ(2026年9月までだけど)?という感じ。
義務化せず任意にして、連帯責任でプレッシャーを与えるというやり方が何とも日本的。製造業などのサプライチェーンのど真ん中にいて、周りが課税事業者となるなら登録せざるを得ないと思いますが、そうでない業種は、まず以下を確認。
もらった資料によると、売上先が、消費者、免税事業者、簡易課税制度で申告する課税事業者(2年前の売上が5千万円以下の事業者)あるいは2割特例で申告する課税事業者(免税事業者からインボイス発行事業者となった課税事業者)の場合はインボイスは必要なし。また、売上先の数が少ない事業者は、売上先に直接相談も考えられる、とあります。零細同士の取引だったら登録なしも選択肢になるということですね。
消費税を請求しないという選択肢はありなのか?
登録しないと、売上先に負担がかかる。経過措置とされる6年間は免税事業者に対する仕入れでも控除があるものの、期間をすぎたらゼロになるので、売上先にとっては負担になってしまう。それなら、面倒なので最初から消費税を請求しないという選択肢もあるのでは?というのが一番聞きたかったこと。
しかし職員の方によると、「消費税を取らないことはできない」と。請求額が内税になっていようが、請求書に消費税の欄がなかろうが、消費税は流れている、ということ。見えてないだけで(記載がなくても)、日本の税制上の考え方では、消費税が課税されているのです。
つまり、消費税の外税を認めず、請求額の内税に、と言ってくる事業者も現実にはあるのですが、これも税金上は消費税を払っている形になるそうです。。。とほほ。
モヤモヤする疑問点は直接聞いて解決を
ほかにも説明会でわからなかった点など、疑問点を質問させていただき、ていねいに答えていただきました。例えば、消費税がかかるのは国内での取引のみ、2023年10月までに登録しなくても、2029年(令和11年)9月30日までは年度の途中参加ができ、それ以降は年度初めからの登録となるなど。絶対に登録しましょうとは勧めませんし、個人や小規模事業者など、業種や規模、立ち位置、取引先の多さ等々、それぞれパターンが異なると思うので、インボイスどうしよう!よくわからん〜とモヤモヤするより、直接税務署に聞いてスッキリさせるのがいいと思います。その上で総合的に判断するのがよいです。
10月から制度が始まるというだけで、任意ですし、あせって9月までに登録しなくてもいいかなという結論になりましたが、売上先に聞かれたときに、その根拠や理由を説明するためにも、モヤモヤするところは自己解決しておいた方がいいかと思います。
免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&Aを、財務省、公正取引委員会、経済産業省、中小企業庁、国土交通省が連盟で出しています。独占禁止法や下請法からの回答があるので参考になります。
会計ソフトもインボイスに対応税務署の説明会、個別に対応してくれて、インボイス制度のモヤモヤ解決