テリーヌショコラ、材料もシンプルで作り方も簡単なのだけど、何度か失敗しています。その原因がわかったので、失敗談と合わせてレシピを。レシピを公開している(していた)ダンデライオンやホテルニューオータニの作り方も参考に。
失敗を経て改良した、簡単な作り方! 同じ温度で混ぜ、低温で焼く
あるブログのガトーショコラのレシピを参考に作ったら、2度大変なことになりました。失敗ポイントは「温度」。詳細は後述しますが、レシピを改良して失敗なく作れるようになりました。IKEAのチョコがちょうど100gで使いやすいのよ(カカオ60%)。
- 卵をほぐして混ぜ、濾しておく
- チョコレート、バターを細かくしてボウルに入れて湯煎にかけて混ぜる
- 溶けたら砂糖を加えて混ぜる
- 湯煎をしたまま溶いた卵を少しずつ加え、ツヤが出るまで混ぜ合わせる
- 型に流し込み、140度のオーブンで25分焼く
- 型に入れたまま冷やす。ココアパウダー(分量外)をかけても
失敗ポイントまとめ 温度と乳化が超大事!
上のレシピ、チョコ100gと分量も図りやすく、作り方も簡単でしたが、失敗もありました。ブクブク煮立って固まらない… 固まらないときはオーブンで再加熱、ラップをしてレンジで加熱、というブログ記事があってその通りにしたらカッチカッチの焦げ焦げになったよ… しかもこれを2度もやったんですw
もとのレシピでの焼く時間が180度のオーブンで20分、ダンデライオンやニューオータニのレシピは140-150度になっているので、もしかして温度の問題?
でも、ショコラティエである小山進さんのショコラテリーヌは170℃で約20分間。伊勢丹のページにある樋口直哉さんのレシピも170℃で12〜15分とやや高温のレシピもある。180度でちゃんと焼けたときもあったのになぜ??? もしかして焼く時の温度の問題だけではない? で、検索していると、いろいろな失敗パターンがありました。
- 混ぜるのが不十分で乳化していない状態で焼いて分離 知恵袋より
- 温度が高過ぎで卵黄が固まり、チョコレートが分離 知恵袋より
- 卵が冷たくて、混ぜてもチョコ、バター、卵が乳化できない 知恵袋より
- 表面にふつふつ油が出てくるのは焼き過ぎで、そうなると分離状態で、油っぽく、ぼろぼろした食感に パティシエ坂下氏ブログより
失敗したときは寒い日で、卵の温度が完全に室温になっていなかったことで、乳化がうまくできず、180度で焼きすぎになってしまったのではと分析しています。
ポイントは、チョコレートとバターに卵を合わせる時、同じ温度を保つこと。そのためにゆっくり湯煎しながら混ぜ、卵は室温に戻すのはマストです。冷蔵庫に入れていた卵は室温に戻るまでに時間がかかるので、ぬるま湯に入れておくようにしています。
とにかく180度で焼くのは何か怖くて、低温焼きに落ち着きました。
ダンデライオンのレシピでやってみた
チョコ専門店、ダンデライオンのレシピ。同じく作ってもこの素材じゃないとウチの味、出せませんから〜ていう自信に溢れてる。レシピではパウダーっぽいチョコを使っていますが、固形を溶かして使いました。材料の分量は多少アバウトで作りましたが、オーブンは150度に予熱し140度に下げて25分焼くという焼き方はこれに倣いました。
- 卵をほぐす。口どけを良くするには茶漉しで濾す
- 別のボウルで溶かしたバターに、溶かしたチョコレートを湯煎しながらしっかり混ぜる
- 卵にきび砂糖を入れ、湯煎で温めながら砂糖を溶かす。← この方が砂糖が溶けやすい
- 卵にチョコを入れ混ぜる(混ぜすぎると冷めて分離するので、生地が繋がる程度で止める)
- 生地がつながる程度まで混ぜた生地を型に入れ、空気を抜く
- 150度に予熱したオーブンに入れ140度におとして約25分焼く
- 粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし、固まったら型から外す
ニューオータニ大阪のテリーヌショコラ「門外不出のホテルレシピ」から
コロナ禍のおうち時間用に、ホテルニューオータニ大阪による「門外不出のホテルレシピ」にあった本格レシピも参考までに。工程の違いは、ゆっくり湯煎焼きしていること、ココアを加えていること。コツが参考になりました。
- 全卵とグラニュー糖は砂糖が溶けるまで(約40℃)よくすりまぜておく
- チョコレートとバターは湯せんで溶かし、ふるっておいたココアを加えてまぜ合わせる
- 2に1を加え混ぜる。予め型に溶かしバター(分量外)をぬり、グラニュー糖(分量外)を万遍なくまぶし、余分な糖はたたき落とす
- 3の型に、生地を流し込む
- 150℃のオーブンで約50分~60分湯せん焼きする
- 焼きあがったら冷蔵庫でしっかりと冷まし(⼀晩)湯せんなどで温めてひっくりかえしてはずす
- 計3回の食材を混ぜ合わせる工程では、気泡が入らないように注意しながらすり混ぜる
- チョコレートとバターに卵を合わせる時、同じ温度を保つ(プルンとつやのある生地に仕上がる)
- 焼き上がりのサインは、最初は型のふちの生地が上にあがり、しばらくすると中心の部分もだいたい同じ高さまで上ってくる。指でさわって生地がひっつかなければOK!
- お好みにココアをふったり、塩、コショウなどのアクセントを加えると本格派フォンダンショコラの出来上がり(※記載レシピのままですが、ショコラテリーヌだと思います。
ショコラテリーヌ(テリーヌショコラ)はテリーヌ状、 ガトーショコラはチョコケーキ!
ところで、ダンデライオンのはガトーショコラってなってるけど、これ、テリーヌショコラ?ショコラテリーヌっていう言い方もあったり。テリーヌショコラは小麦粉を使わない、パウンド型(テリーヌ型)で焼く、ガトーショコラは小麦粉を使うなどという定義も見たけれど、ショコラテリーヌでもつなぎに少しの小麦粉を入れていたり。混乱してきたので調べると!よけいわからん。
フランスのレシピをみてもTerrine chocolat、Terrine au chocolat、Terrine de Chocolat、Gâteau au chocolatとかいろいろあるよ〜(混乱)
わかりやすいところで、フランスのELLEのレシピを日本語に翻訳してみると、Gâteau au chocolat facileが簡単チョコレートケーキ、Terrine chocolat orangeがオレンジショコラテリーヌとなりました。で、テリーヌの方は小麦粉使っていませんでしたが、他のレシピでは小麦粉入りもありました。結論としては、小麦粉の有無というより、テリーヌ状のチョコケーキがテリーヌショコラ(フランスの語順のまま)、ガトーショコラはそのままチョコレートケーキでよいのかと思います(Gâteauはケーキ)。テリーヌ状でも、ガトーショコラと名乗っているのがある、ってことですね。フォンダンショコラも含めてすべてチョコレートのケーキ。なので自称でOK。ブラウニーはアメリカのチョコケーキです。その違いはこちら。
菓子作りの基本がつまったテリーヌショコラ
簡単においしく作るがモットーなので、材料以外はあまりこだわらないのですが、テリーヌショコラについては失敗が続いたことから、いろいろ調べて繰り返し作ることになりました。いやー失敗は成功の母っす。テリーヌショコラ、シンプルながら温度や乳化など、菓子作りの基本が詰まっています。
厳密にはチョコのカカオ分量によって砂糖やバターの量を変える必要があると思いますし、混ぜる順番も砂糖は卵に混ぜ、バターは最後の方に加えるのがプロのやり方っぽい。まだまだ改良しながら作っていきたいです。
簡単そうだけど奥が深いテリーヌショコラ。温度を揃えて乳化させるのがポイント