10月は神無月、だけど島根だけ神在月となる。それは島根に神様が集まるから。本当は旧暦の10月なので、神在祭があるのは11月なんですけどね。とにかく神様が集まるといわれる島根の、出雲大社はもちろん、ナンバー2の物部神社にも泊まりなしの1日で行ってみました。
4つの鳥居を制覇しようと思ったら…一の鳥居は工事中
出雲大社へはWILLERの夜行バスで。実は東京から出雲大社(米子・松江・出雲)の便は長距離で時期によっては1万円近くするので、羽田から出雲空港までの安い時の航空料金とほぼ変わらない。 飛行機で行くことも考えたが、日帰りな上に、出雲大社だけでなく稲佐の浜と島根県立古代出雲歴史博物館も寄りたいなど予定が詰まっているので、より早く着くバスにした。出雲空港への乗り入れはJALだけで、羽田からの一番早い便でも出雲に8:35着、それからバスだと時間もかかるし、乗り換えも面倒。WILLERの米子・松江・出雲行きだと、神門通りに9時着、そのまま行動に移せます。
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19:40発のWILLER BE9151便、運行時間13時間20分となかなかの長距離。そのため2時間ごとにPAで休憩の立ち寄りがあります。最初の海老名と23時すぎの遠州森町までは降りたけど、あとの3箇所は寝てたのと面倒で降りず。今思えば鈴鹿で降りたら何かサーキットがらみのお土産が売っていたのだろうか(夜中1:20ごろでしたが)。
9時少し前に神門通りに到着。降車したのはターミナルのようになった神門通り広場。トイレもある。そこから稲佐の浜に向かいたいところ、まず先に宇迦橋大鳥居へ。なんでも4つの鳥居があって、それをくぐって神様に近づくのだとか。
神門通り入り口に立つ白い大鳥居を一の鳥居として、御本殿に至るまでに石、鋼、鉄、銅とそれぞれ異なる素材でできた四つの鳥居があります。鳥居やしめ縄は神域への入り口を示すもので、私たち人間が住む俗界との区切りとされています。四つの鳥居をくぐるごとに1つずつ神様に近づきますので、一礼してからくぐりましょう。
しまね観光ナビ
実は、この後、大田市の物部神社に行くため、細かいスケジュールを立てていた。1分も無駄にしたくない。でも4つの鳥居をくぐらないわけにはいかない!と神門通り広場から徒歩6分、一の鳥居である宇迦橋大鳥居へ。と思ったらあれ?工事中やないかーい。12月28日までって神在祭のときもこのお姿なのかーい。
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11月にしあわせご縁会議の出発地、稲佐の浜へ
気を取り直し、参拝前のお清めの気持ちも込めて、稲佐の浜へ。神迎えの道、途中の三叉路で方向を失い、とにかく広い国道431号に出て、阿国の道沿いで海方面へ。
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一般に旧暦10月を「神無月」と申しますが、これは全国の村々里々にお鎮りの神々が、1年に1度、目には見えない「神事(かみごと)」を司られる「大国主大神」さまがお鎮りになります出雲大社にお集いになられ、人々の“しあわせ”の御縁を結ぶ会議「神議(かみはかり)」がなされる故事に由来します。
出雲大社webサイトより ← 現在は該当ページなし
11月の神在祭は、稲佐の浜で全国の神々をお迎えする神迎(かみむかえ)神事から始まる。つまり、稲佐の浜は、毎年全国の神さまたちが集まって、出雲大社でしあわせ会議を開く、スタート地点。ついテンションが上がって海に入ったりと、思いのほか時間を費やす。あとで大社内の素鵞社(そがのやしろ)で交換する砂もいただき、今度は神迎えの道を取って出雲大社に戻りました。
参拝ルートに沿って、二の鳥居〜祓社〜三の鳥居〜手水舎
出雲大社の参拝ルートを調べると、境内の入り口にある、勢溜の二の鳥居からスタート。そこから参道の右手にある祓社(はらいのやしろ)でのお清めを忘れずに。
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さらに参道を下り、松に囲まれた三の鳥居を進むと左に手水舎があるので、手と口をお清め。その向かい、参道右手におられるのが出雲大社が祀る大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)、通称だいこくさま。因幡の白兎を助けたやさしい神さまです。出雲に国をつくった後、天照大御神(アマテラスオオミカミ)に国を譲り、目に見えない世界を司って「むすび」の力で人々を導くようにいわれたそうな。それが縁結びの神さまとなった由来。
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四の鳥居〜拝殿〜御本殿〜十九社〜素鵞社
四の鳥居をくぐればもうそこが拝殿。ここで二礼四拍手一礼。その後方には立派な大社造りの御本殿があります。
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御本殿から玉垣といわれる塀に沿って反時計回りに周り、神在月に全国から集まった神が泊まる十九社などを経て、一番奥にあるのが、大国主大神の親、スサノオノミコトを祀る素鵞社(そがのやしろ)。裏手の八雲山に接する素鵞社床下にある御砂納め箱に稲佐の浜から運ばれた砂が入っていて、ここの御砂は撒くと土地を清めるご利益があるといういわれがあります。前に来た時はそれを知らず、なぜ稲佐の浜で砂を採る人がいるのか不思議でしたが、理由を知って納得。今回は稲佐の浜の砂を供えて、同量の御砂をいただいてきました。
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さらに本殿西遥拝所で拝礼。よくガイドさんがここで説明していますが、大国主大神の御神座は西に向いているそうなので、ここから参拝します。あとは、ウサギの石像、日本最大級の大しめ縄がある神楽殿が見どころ。そして忘れがちですが、ここにもさざれ石があるので石マニアはぜひ。神楽殿から大駐車場に向かう途中にあります。
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国宝ずらり!島根県立古代出雲歴史博物館
そして前に来た時、時間がなくて行けなかった島根県立古代出雲歴史博物館へ。看板が境内にあったのですが、敷地外。案内板に沿って少し歩くと槇文彦設計の立派な建物が見えてきます。入館料はJAF割引もあって、カフェの割引券もくれました。地域の歴史文化の展示であるものの、島根県のすごさは資料が国宝級なところ。荒神谷遺跡から出た銅剣358本、加茂岩倉遺跡から出土した39個の銅鐸って、ほかにないでしょ。
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どうしても見たかったのが、古代出雲の巨大神殿模型。現在の本殿の高さは24m、この模型は平安時代の48mというデータをもとに1/10模型で復元。出雲大社社伝によると、太古の出雲大社本殿の高さは約96mだった記録もあるそうです。
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1984年と1996年に銅剣や銅鐸、銅矛などが大量に発掘、2000年には出雲大社境内で神殿を支えた柱が発見。つまり、出雲の神話は創作と考えられたいたのに、存在を裏付ける証拠品が出た。歴史を覆す大発見じゃないの。なぜ議論にならんの?
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JR出雲駅から大田市駅、そして物部神社へ
見るところ多すぎだったものの、隣の市にある物部神社へ移動のため、後ろ髪ひかれながら移動。山陰本線、1時間にほぼ1本しかないのよ。なので、JRの時間に合わせてスタバ向かいの正門前バス停から一畑バス(PASMO利用可!)でJR出雲市駅へ(約36分)、13:27発のスーパーまつかぜ5号に乗車。時間的にこれしかないので特急に乗りましたが、JR西日本の特急券、駅で買うのにまごまごしないよう、事前に東京のみどりの窓口で乗車券と特急券買っておきました。出雲市駅から1駅、28分で大田市駅に到着。ちょうどいいバスがないのでタクシーで物部神社へ(約15分、2360円)。
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物部神社は物部氏の祖、宇摩志麻遅命(ウマシマヂノミコト)を祀る神社で、島根県指定文化財の本殿は春日造りでは日本一。拝殿前の手水舎にある手水石は砂金が含まれ、4つの曲玉(まがたま)に触ると勝運や財運などのご利益があるそうな。御神紋は真っ赤な太陽を背負った、ひおい鶴。
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本殿の裏手に宇摩志麻遅命が降臨された際に腰を掛けた勝石、平安時代から枯れていない井戸、さらに裏手の八百山を登ると宇摩志麻遅命の円墳などもあって、霊験あらたかな感じ。以前祈祷してもらったときに本殿に入りましたが、昭和、平成の天皇陛下の幣饌料の御札がありました。物部神社は旧社格制度での國幣小社に当たり、格式の高い神社ということになります。
物部神社前の惣菜食堂、伊勢市駅前のお風呂に立ち寄り
駅までの戻りはバスで。といっても物部神社前15:30発まで時間があるので、目の前にある笑夢(えむ)さんに。めちゃめちゃクチコミが良いので、絶対に寄ろうと思ってたのでした。15時くらいという食事には中途半端な時間にもかかわらず、おじさまが対応してくれ、あるだけのおかずとおいしい白米をいただきました。どの惣菜もハズレなしにおいしい。ご飯が進みます。夕方になると地元の方が惣菜を買いに来るのだとか。こんなお店が近所にあると助かりますね。
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時刻通りに来たバスに乗り込み、帰路の途へ。大田市駅までは18分、おみやげの板わかめをゲットし、15:58発のスーパーおき4号特急に乗って出雲市駅へ。電車の本数が少ないとちゃんと乗れるかドキドキですが、出雲まで戻ればあとは連絡バスで空港に行くだけ。最終便まで時間があるので、出雲市駅南口からそばのらんぷの湯へ。露天にあるのは個人用の木の浴槽と水風呂と超シンプル。竹林を眺めながらのひと風呂、整いました。こんな駅近に塩化物泉の掛け流しって、他にある?
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今回は行かなかったけど、4000年前の大木が残されているさんべ縄文の森ミュージアムも知られざるパワースポットだと思っています。
空港までのチケットは、出雲市駅前の空港連絡バスの停留所前、ツインリーブスホテル出雲1階にある一畑トラベルサービスで入手、720円。どの便に乗るかは自由。
おみやげは出雲市駅のアトネスいずも、出雲空港の一畑百貨店出雲空港売店でゲット。地元産の食、加工品より素材を買う派なので、スーパーや直売所が好きなのだが、今回動線になかったので駅と空港で。
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このばら干のりは超便利。板状になっていないのりで、海苔本来の味というか旨味が強い。味噌汁に入れたり、そのまま食べたり。しかも安い。あらめも初めて食べたが、コンブ目コンブ科で、日本固有の海藻だそう。食感はこんぶ、味はひじきといった感じ。袋にあったレシピ通りに作った煮物はほぼ味はひじきの煮物で食感がこんぶなので、やや高級感あり。そして、のどぐろ出雲そば。添付のつゆを茹で湯で薄めて、茹で上がった麺を入れるのだが、のどぐろのエキスが入った出汁がめちゃうま。甘みの強い黒いつゆに慣れた関東からすると、この透明感のあるつゆの何と美しくておいしいこと。茹でた後に水洗いをしない釜揚げスタイルのそばは、出雲の神在祭で神社に集まる人に屋台の蕎麦店が茹でたまま振る舞っていたのが由来だとか。まじうまいよー
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神話の国が日本歴史発祥の国となればよいね。島根県立古代出雲歴史博物館、日本人は見るべし